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ラーメン概論ーラーメンに対する考え方1


「究極のラーメン!」「こだわりの一品」などというコピーが巷に溢れています。しかし、冷静になって考えて下さい。本当に究極のラーメンというものは存在できるのでしょうか?作り手がこだわって作ったものが、必ずしも食べる人に伝わるのでしょうか?

究極のラーメン

さて、ここに行列の出来る一軒のラーメン屋があるとします。そこに並ぶお客さん達は皆口を揃えて「ここのラーメンが一番」「よそじゃ食べられない」と言います。テレビなどマスコミでもよく紹介され、それを見たお客さんがまた行列を作ります。これを読んでいる方達も経験があるでしょうが、筆者もまたそのような放送を見て食べに行って見たことがあります。結果、確かにおいしい店がほとんどです。後日、また違う番組を見て、違う店に行きます。ここも美味しいです。そしてまた後日…。何度行っても、違う美味しい店にあたります。貴方は、その中でどの店が一番美味しい店か判断できますか?私は出来ません。なぜなら、どの店も同じ「ラーメン」という名前の食べ物を出していますが、実際は違う物を作っているからです。100軒のラーメン屋があっても、まったく同じ物を作っている店は一軒もありません。チェーン店、支店、フランチャイズの店にしても、それぞれ味が違います。「いや、俺の行く店が一番おいしい!」という方もいるかもしれません。違います。その店は確かに貴方にとっておいしいでしょうが、他の人にとっては評価が違うのです。貴方にとって究極でも、他の人にとっては駄作かも知れません。つまり、その店は、「貴方にとって究極のラーメン」であるに過ぎません。

しかし、ラーメン好きの貴方はいずれまたさらに美味しい店を見つけるでしょう。究極のラーメンじゃなかったのですか?「いや、世間は広い。こっちの方が美味しかった。」まったくその通りです。でも、またたぶん、いずれさらに美味しい店を見つけるでしょう。だって、貴方は美味しいラーメンを食べたいのですから。

同じラーメンを食べるにも、その時の体調、気候、年齢や気分によってさえ、感じる味は違います。さらに、作る側にしても、毎日、いや、一日の中でさえもまったく同じラーメンは2杯と作れません。つまり、私は何が言いたいのでしょうか?それは、「究極のラーメン」なるものは存在しえません。あるのは、「その人にとって、その時点での究極のラーメン」です。そしてそれは容易に入れ替わります。もう、お分かりですね。ラーメンが誕生してから現在までの全てのラーメンを、完全に同じ状況下で同時に食べない限り、究極のラーメンは判断できません。そして当然それは絶対に不可能なことです。だから、究極のラーメンという言葉を使ったり、捜し求めるのは馬鹿げています。

つまり、「究極のラーメン」を名乗る店は、私に言わせれば頭の悪い店主か、向上する事を放棄した店か、お客さんを馬鹿にした詐欺師の店です。

ここでちょっと矛盾した事を言います。私は究極のラーメンを作りたくて、それを追い求めています。でも、そこに行きつく事が出来ないのは知っています。それでも、追い求めています。何故なら、行きつくことは不可能でも、そこに僅かでも近づく事は可能だからです。味も然り、また、一杯一杯のラーメンが同じ物であるようにしようとすることも然り。この業界に足を踏み入れてしまった以上、後戻りは出来ないと思っています。

技術的に言って、私は職人ですから、皆さんよりは知識や経験も含めて一歩先にいると思います。しかし、「美味しいラーメンを作りたい!」という気持ちにおいては、プロもアマチュアもありません。皆さんも私も、その点においては同じラインにいます。ならば、ラーメンを愛する皆さんの為に、家庭で出来る範囲内で技術をお教えしましょう。きっと貴方なら、そのへんの「ラーメン屋なら出来そうだ」「ラーメン屋でもやるか」といった店よりは、おいしいラーメンを作れるはずです。


ラーメン概論
4章分
スープ/理論
7章分
スープ/実践
12章分
ラーメンのタレ
11章分
ラーメンの麺
9章分
ラーメンの具
15章分
プラスワン
3章分
さあ、作ろう!
3章分
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